『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』
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著者:井上慎平
出版社:ダイヤモンド社
ああ、そうか。本だけで学べることなんて、ほとんどありやしないんだ。学びは、直接的に自分が体験した「一次情報」と、読書などで間接的に他人を介して得た「二次情報」が融合することで生まれる。だから、本を読むことには大きな意味があるけれど、それだけで学びは完結しない。 人は簡単に「わかった」と思い込む。でも、「わかった」には無限のグラデーションがある。「頭でわかる」と「腹からわかる」の間にある、目も眩むほどの距離。 僕は、本を読んだだけで「わかった」気になっていた。「自分は謙虚だ」という自信こそ、最大の傲慢だったのだ。
もはや、スキルはいったん獲得したら終わりだとか、あるいは職人にとっての「道」のように、どこまでも突き詰めていくものじゃなくなった。スキルはわざわざアンラーン(リセット)してまで、身に付け直さないといけない。スキルにはいつだって賞味期限付きのシールが貼られていて、時代が加速するほど日持ちしなくなっていく。 メディアは「さらなる変化が訪れる」「どんな変化にも対応できる人間であろう」というメッセージを流し続ける。なにせ事実として変化は加速しているし、人はそれについていかなくてはならない。そして、そんなメッセージを浴びる個人の側も「いつまでも同じことをしていてはいけない」という規範を少しずつ内面化していくのだ。 時代の変化を歓迎し、その流れについていける人間としてふるまうこと。それが加速するこの「社会で求められる人間像」であり、そのように自分を律することができることが、現代における「強さ」だ。
一生リスキリングし続けるって。
「成長に興味がありません」となかなか言えない